2015年3月29日日曜日

時価総額とは何か

 悲惨極まりない業績予想、ネガティブな観測記事、事件、事故、カリスマ投資家の売り抜けなどが明るみとなって、とある企業の株価が急落する。翌日の新聞記事に「株価急落により一日で時価総額5,000億円が吹き飛ぶ」という文言が景気よく踊る。そんな巨額が消失するとは、まさに悲劇としか表現しようがない。

 しかしここで考える。吹き飛んだとされる5,000億円とは一体何なのか。そしてどこへ消えてしまったのだろうか。消えてしまったからには、誰かが5,000億円を損したのだろうか。



 私は時価総額という言葉を聞いて反射的に反感を覚える。そもそも時価総額とはたいそうなものではない。市場参加者がその企業に値付けしている株価に発行株式数をかけたバーチャルな概念で、目に見えないし触れない。
 で、大規模な時価総額消失を演出したその市場参加者だが、私は少なくともその祭りに参加していない。私は悲惨な開示を受け、やや動揺したものの、その企業の長期的な価値には何ら関係のないニュースと受け取り、株式の売却には加担しなかった。

 しかし、にもかかわらず私はその時価総額急落とやらに加担させられている。
 なぜか。
 時価総額=株価×発行済株式数(自己株除く)だからだ。

 発行済株式数には私の保有株が含まれている。
 市場の気まぐれで動いた株価に私の保有株式を勝手にかけて「時価総額が吹き飛ぶ」などと記事にされてしまう。私の反感の根本はここにある。単に「株価急落」とだけ書けと。

 特にWSJよ。今後そういう見出しで記事を書く場合、私の許可を得てからにするように!

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