2015年3月20日金曜日

成長性を重視すべきか?

 理論的に成長性の有無は投資リターンに何の影響も及ぼさないはずだし、私はその理論に従い、成長性があるからという理由だけで株を買ったことは一度もない。

 成長性が投資成績に影響する場合、それが市場の期待を上回るか下回るかということに尽きる。
 誰が考えても卓越した成長が期待される銘柄(私の保有株で言えば、キャッシュレス化の流れを受けて長期にわたるカード決済額の着実な増加が見込まれるMasterCardなど)は一見してめまいがしそうなPER水準となっているし、安定した利益は出すものの誰も高成長など期待していない銘柄(私のかつての保有株で言えば、国内の車市場頭打ちで潤滑油需要の着実な減少が見込まれていたBPカストロールなど。ただ、この銘柄は配当性向の大幅UPでいまや低成長にもかかわらず高PER銘柄に変貌した)は、手の出しやすいPER水準に放置されていることが多い。
 これは説明するまでもなく、市場が考える成長性の違いが既に株価に織り込まれていることを意味するので、企業が市場の期待通りの成長もしくは衰退の軌道を描く限りにおいて、高成長銘柄も斜陽銘柄も投資家にとっては同じリターンをもたらすのみとなる。

 だったら我々は何のために銘柄分析を行うのか。猿がダーツで決めた銘柄を適当に買っておくのと、入念なファンダメンタルズ分析を行って買うのでリターンの違いが期待できないならば、巷の分析屋は滑稽な作業に時間をかけている愚か者なのか。

 様々な見解があることは承知しているが、一つの回答がウォーレン・バフェットの次の名言に表れている。
「市場が常に効率的なら、わたしは道端のホームレスになり物ごいをしているだろう」

 私は将来の予想を行わない。その企業の過去の実績に基づき、機械的に分散投資を行うのみだ。市場の非効率は、機械的なスクリーニングである程度あぶりだせる。
 過去の成功例で言えば、ゲストハウス型ウェディングを手掛けるエスクリが挙げられる。私が例によって機械的なスクリーニングでエスクリに目を付けた頃、この企業は業績の面で既にエクセレント・カンパニーだった。ROEは過去数年20%超をキープ。利益成長率も20~30%を数年にわたって成し遂げていた。出店余地はまだ膨大に残っている。
 で、市場がこの企業に付けたPERはたったの4倍。
 過去数年の成長率とROEがともに2割を超える銘柄のPERが、たったの4倍。
 これ以上、何か分析が必要だろうか。私は決算書を詳細に読むことなく、エスクリに資金を投じた。そしてその結果、エスクリ株への投資は私に十分満足できるリターンをもたらした。

 金融危機後の日本株にはしばらくの間、上記のような信じられない値付けをされているエクセレント・カンパニーが他にも山ほどあった。時を経て現在、過去実績の推移と株価を照らし合わせ、当時のエスクリと同じような確信をもって資金を投じられる銘柄は圧倒的に減った。今は業績の安定性とPERの低さだけが特徴の、つまらない銘柄ばかりを買っている。

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