2015年4月24日金曜日

【設問】 適正PERを算出せよ

「この成長率ならこのくらいのPERが正当化される」というように、自分の期待リターンを満たすPER水準をざっくり肌感覚で掴んでおくことは重要だと思う。
そのためには理論が役に立つ。
今回は、ある前提の下、理論的な適正PERを愚直に計算してみよう。


【設問】

ある投資家が企業Aへの投資を検討している。
企業Aは現在急成長中で、投資家はビジネスモデルや市場環境を勘案し、下記のような成長ストーリーを描いている。

今後5年間は年率20%成長。
しかし、6~10年後は市場の飽和により10%成長に落ちる。
11年度以降はさらに保守的に2%成長とする。
投資家は比較的欲張りなので、期待リターンは20%。


さて、この投資家にとって企業AのPERは何倍が妥当か。




【試算】

ステップ1 : 10年目までのEPS成長を計算する。



ステップ2 : ターミナルバリュー(TV)を計算する。
 11年目以降の永久成長率は2%。
 TV = X10のEPS / (期待リターン -永久成長率)
         = 401 / (20% - 2%)
         = 2,226


ステップ3 : ターミナルバリューをX10に加算し、投資時点の割引現在価値を求める。


現価係数 = 1/(1+期待リターン)^N
各年度の割引現在価値 = EPS × 現価係数
投資時点の現在価値 = TV含む各年度の割引現在価値の累計
適正株価 = 割引現在価値
適正PER = 適正株価 / 投資時点EPS
             = 1,248 / 100
             = 12.5倍


【結論】

適正PERは12.5倍。
期待リターン20%を満たすためには、企業Aのような高成長企業であってさえ、このような低PERでなければならない。そんな割安銘柄はそうそう転がっていないね。

ちなみに、期待リターンを10%まで下げて試算を行うと、適正PERは33.6倍となる。
これならいくつか候補銘柄があるかもしれない。

12.5倍と33.6倍。期待リターンを20%から10%に落とすだけで、選択の幅はぐっと広がる。
結局のところ、適正PERなんていうのは、あなたがどのくらいのリターンを期待するか次第だという、身も蓋もない結論となる。

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