会社員を値付けする
私のポートフォリオを公開した際、そこには含まれていなかったが、隠れたランキング1位が存在する。
それは私自身だ。
私は会社員で、給与という収益を家庭にもたらしている。あらゆる定期インカムの発生源には、割引現在価値により値付けを行うことが出来る。では、私の時価総額はいくらであろうか。
まず、企業利益に対する会社員給与の特徴を整理しよう。
<メリット>
・ボラティリティは事実上、残業代と賞与のみ。
・定期昇給という成長率が付与されている。
・会社員であるために必要な費用は、スーツ代など限定的。
<デメリット>
・インカムに定年という終わりが存在する。
・身体や精神を壊して働けなくなるリスク。
・企業が破たんして路頭に迷う、もしくは転職で収入が激減するリスク。
デメリットの中では定年の存在が最も大きい。企業は半永久的に収益を生み続けられるのに対し、生身の人間である会社員は永久に収入を得ることが出来ない。
一方、定期昇給の存在は会社員の時価総額算定上の大きなメリットだ。企業収益の成長率が長期では名目GDP成長率とリンクすることが想定されるのに対し、会社員の給与は、名目GDP成長率に近似するであろうベースアップ分に加え、年功による定期昇給という、経済成長とは別のロジックで付与される成長率が加味されるので、個人給与の伸びは企業収益の伸びを上回ることが期待できる。
総合的には、メリットとデメリットが相殺しあう形になり、会社員を株価に換算すると、上場企業平均並みのPERが妥当なのではないかと思われる。私の基準であれば、仮に一般的な30代の会社員が証券化されていれば、PER15倍くらいであれば購入検討に値する。
PERを15倍と設定したところで、次に当期純利益を計算しよう。会社員の利益は、形式的な純粋インカムである手取り年収をベースにすべきだろうか。
いや、それは適切ではない。手取り年収は、健康保険料や厚生年金保険料が控除されているが、どちらも収益減少要因としてカウントすべきではないと考える。
まず、健康保険料は会社員でなくとも徴収されるものだ。そして厚生年金保険料は、年金資産という潜在的な金融資産に形を変えているだけなので、P/L科目ではないと理解すべきだろう。仕訳で表現すると、「年金資産 / 現金」となり、手元現金は減るものの、B/S科目の振り替えであり、利益には影響を与えていない。
真のコストは所得税・住民税などの税金費用のみだ。即ち、会社員の当期純利益は「額面年収-所得税・住民税」で計算される。所得税・住民税の実効税率は年収や扶養家族の有無によっても異なってくるが、概ね10%程度と考えておけば大きなブレはないのではないか。
これで計算に必要な前提が揃った。
計算式に落とし込んでみると、次にようになる。
「会社員の時価総額」=「額面年収×(1-実効税率)」×PER
=額面年収×0.9×15
さて、あなたの価値はいくらになっただろうか。
そして、その価値はポートフォリオの何位に位置するだろうか。
それは私自身だ。
私は会社員で、給与という収益を家庭にもたらしている。あらゆる定期インカムの発生源には、割引現在価値により値付けを行うことが出来る。では、私の時価総額はいくらであろうか。
まず、企業利益に対する会社員給与の特徴を整理しよう。
<メリット>
・ボラティリティは事実上、残業代と賞与のみ。
・定期昇給という成長率が付与されている。
・会社員であるために必要な費用は、スーツ代など限定的。
<デメリット>
・インカムに定年という終わりが存在する。
・身体や精神を壊して働けなくなるリスク。
・企業が破たんして路頭に迷う、もしくは転職で収入が激減するリスク。
デメリットの中では定年の存在が最も大きい。企業は半永久的に収益を生み続けられるのに対し、生身の人間である会社員は永久に収入を得ることが出来ない。
一方、定期昇給の存在は会社員の時価総額算定上の大きなメリットだ。企業収益の成長率が長期では名目GDP成長率とリンクすることが想定されるのに対し、会社員の給与は、名目GDP成長率に近似するであろうベースアップ分に加え、年功による定期昇給という、経済成長とは別のロジックで付与される成長率が加味されるので、個人給与の伸びは企業収益の伸びを上回ることが期待できる。
総合的には、メリットとデメリットが相殺しあう形になり、会社員を株価に換算すると、上場企業平均並みのPERが妥当なのではないかと思われる。私の基準であれば、仮に一般的な30代の会社員が証券化されていれば、PER15倍くらいであれば購入検討に値する。
PERを15倍と設定したところで、次に当期純利益を計算しよう。会社員の利益は、形式的な純粋インカムである手取り年収をベースにすべきだろうか。
いや、それは適切ではない。手取り年収は、健康保険料や厚生年金保険料が控除されているが、どちらも収益減少要因としてカウントすべきではないと考える。
まず、健康保険料は会社員でなくとも徴収されるものだ。そして厚生年金保険料は、年金資産という潜在的な金融資産に形を変えているだけなので、P/L科目ではないと理解すべきだろう。仕訳で表現すると、「年金資産 / 現金」となり、手元現金は減るものの、B/S科目の振り替えであり、利益には影響を与えていない。
真のコストは所得税・住民税などの税金費用のみだ。即ち、会社員の当期純利益は「額面年収-所得税・住民税」で計算される。所得税・住民税の実効税率は年収や扶養家族の有無によっても異なってくるが、概ね10%程度と考えておけば大きなブレはないのではないか。
これで計算に必要な前提が揃った。
計算式に落とし込んでみると、次にようになる。
「会社員の時価総額」=「額面年収×(1-実効税率)」×PER
=額面年収×0.9×15
さて、あなたの価値はいくらになっただろうか。
そして、その価値はポートフォリオの何位に位置するだろうか。
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