2015年6月13日土曜日

[ 銘柄分析 ] プロシップ


プロシップは多くの点において日本エス・エイチ・エルと似ている。
特定顧客に依存せず安定的に伸びる売上高、そして高い売上高利益率、自己資本比率。

しかし、同時に株主視点からは全ての点において劣っている。
まず、ROEが劣っている。にもかかわらず、株主還元性向が低い。

言っておくが、君に総資産の8割に匹敵するような大量の現金は必要ない。
当社の主力商品はProPlusという固定資産管理ソフトだが、売り切りではなく、年間保守契約収入がメインのため、ストック型ビジネスとなっている。
このソフト、私も使ったことがあるが案外悪くなく、固定資産管理というのは煩雑なので、他のソフトに切り替える際には企業側に多大なスイッチングコストが生じる。余程のことがない限り、一度導入したソフトを他社品に変更する動機は企業側に存在しない。
それにソフトウェアの販売と保守には設備投資なんて必要ないし、現に全然していない。
ゆえに、キャッシュフロー基盤は相当磐石なのだ。

日本SHLという一流の兄に似た外見をもつ、やる気のない準一流の弟。私のプロシップに対する評価はそんなところだ。
こういう弟には、厳しい教育が必要だ。アクティビスト(物言う株主)という名の、厳しい家庭教師が。

そんな折、当社に対して増配を要求する株主が現れた。


第9号議案 剰余金処分の件
1.提案の内容
 第46期の期末配当について、普通株式1 株当たり金1 0 0円(総額371,453,000円)を金銭により、第46回定時株主総会の翌営業日に効力発生として配当する。
2.提案の理由
私は貴社の配当性向は低くないと考えておりますが、利益剰余金が過多であり、必要性を超えた利益剰余金は株主に返還されるべきであると考えています。
配当可能限度額を見積もった所、それを超えない額として100円に増配することにより、投資家が貴社の銘柄に注目しさらなる投資が行われると確信しています。
それによって、貴社の資金調達もよくなり、事業計画の実現がより可能になり、また財務諸表においても自己株式の解消若しくは減少になるものと考えております利益剰余金が2月9日付の四半期報告書において、同社の時価総額の50%超に相当しており、貸借対照表に記載されている流動資産が流動負債に対して7倍弱となっておりますので、換金性はかなり良いものと考えております。
1株当たり100円に増配することは、株価の改善及び貴社の全株主の両者にとって有益であると考えております。また、財務上、今回の提案の内容を実現しても、貴社の健全な経営活動が妨げられるものではないと考えております。
尚、本議案に記載されている内容は平成27年2月25日時点で得られた情報を基にしており、本提案の目指すところは過剰ともいえる貴社の金融資産に対する、私の考え方を示し、他株主も当件について意見を述べる機会を設けることにあります。


(下線部に対するプレノンの揚げ足取り)
・増配要求と自己株の減少とは何の関係もない。
・時価総額を純資産と比較するならわかるが、利益剰余金と比べる意味はない。
・「換金性」ではなく、「支払能力」と表現するほうが適切。
・株価の改善は株主にとって有益なのであって、両者を並列するのはおかしい。

やや日本語が不自然で会計的な見地からは意味不明な文章が紛れ込んでいる上、なぜか25%増配という私からすると極端に控えめな要求ではあると感じるものの、言っていること自体は正論で、全面的に賛成したい。
それに対し、取締役会の見解は相も変わらないお決まりのものだった。
「成長原資のために、内部留保は重要だ」と。
笑わせてくれる。
当社はオーナー企業なので、当提案は簡単に退けられてしまうだろう。
ただ、こういう提案は旧態然とした企業の態度に確実に変化をもたらしていくものと思う。株主が健全な提案をして、経営に適度な緊張感を与え続けることは、日本株がさらに上昇していく必要条件となっていくだろう。

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