2015年6月1日月曜日

多角化経営の是非

 経営の多角化は業績を安定させるという説がある。
 倒産したイーストマン・コダックはフイルム一本足打法だったのに対し、富士フイルムは事業を多角化して現在も生き残っている。

 一方で、経営の多角化は不採算事業の温存や、経営者の専門の範疇外の事業が増えることによる非効率な経営判断により企業価値が破壊され、そのデメリットは、収益の安定性というメリットを上回るという説がある。
 何より多角化企業は「何に対して投資しているか」を重視する投資家に嫌われ、コングロマリット・ディスカウントを引き起こすとする主張がある。
 ソニーがエレクトロニクス、音楽、映画、金融事業をそれぞれ完全分社化すれば、それらの合算時価総額は多分、今のソニーより大きくなるだろうというのが、逆説的にコングロマリットとしてのソニーがディスカウントされているかもしれないことを示唆している。


 多角経営の是非をどう考えるか、これは意外と投資家の投資スタイルと密接に関係する問題であるように思われる。


【ゴーイングコンサーン重視派】
多角経営大賛成。投資で一番肝心なのは、攻撃力よりも防御力だ。
単一事業の企業と比べ、多角経営企業は環境変化に強く防御力が高いことは猿にでもわかるはず。


【収益の安定は分散投資で確保するよ派】
投資家が何に対してお金を投じているのかわからなくなるので、多角経営はダメだ。
俺は有望なビジネスモデルをブティックのように選んで分散投資したい。一企業一業種でなければブティック型の選択は成り立たない。
コングロマリットは抱き合わせ販売やバランス型投信と同じように見苦しい。


【割安なら何でも大好き派】
コングロマリットというだけで株価がディスカウントされるというなら、割安株好きの私は喜んで買う。他の投資家さんはどんどん忌み嫌ってくれて構わない。


【業績が全て派】
多角経営でシナジー効果があろうがなかろうが、投資は業績数値が全てだ。
素晴らしい業績を出していればよいし、そうでなければダメ。多角経営かどうかは関係ない。


 その他にも色々な意見があるだろう。
 【ゴーイングコンサーン重視派】については、投資家は分散投資によって防御力を高めればよいと思うので、どちらかというと従業員や取引先などステークホルダー側の意見のように思うが、すべての意見について、概ね同意できる。

 それはさておき、コングロマリット・ディスカウントは本当に起きているのか。
 俗説に惑わされず、データで確認することは出来るのか。
 本質的価値から常に割安に据え置かれているのなら、コングロマリットも悪くない買い物かもしれない。
 近日中に検証してみようと思う。

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