2015年10月14日水曜日

愚かな株主施策は糾弾されなければならない

明光ネットワークが縮小市場に身を置く企業に相応しい手厚い株主施策(自社株買い及び配当性向の大幅引き上げ)を発表したのと対照的に、また今日も理解不能の増資を行って投資家が涙を呑んだ。PCデポの話だ。
自己資本比率が5割を超えているのに、なぜ新規出店費用とやらを他人資本に頼らないのだろう。こいつは馬鹿だ。とは言え、PCデポがどんなに馬鹿であったとしても、別にこの企業に何らかの思い入れがあるわけではないので、ここで固有名詞はどうでもいい。問題は、こういう姿勢が他にもありふれたものであることなのだ。もう見飽きた。見飽きても、そのたびに感じる怒りに慣れることはない。

過去に「成長のため」と銘打たれた増資でかろうじて理解できなくもなかったのは、増資時点でイクシス・ガス田開発という明確な投資対象と直接紐付きだったINPEX(国際石油開発帝石)くらいのものだ。もっとも、増資時点でINPEX株を保有していた株主は、今現在も報われることのないまま、情けないとしか言いようのないリターンに苦しんでいる。結果論として、INPEXの増資も愚かな選択だった。

投資において企業の事業基盤や成長機会というのはもちろん重要だが、「株主利益を尊重するDNAが存在するか否か」という点も同じくらい重要だ。これは声を大にして強調したい。株式市場に自ら身を置いていながら株主を欺くようなことを平気でやってのけるような企業には大きく賭けてはならないと感じる。信頼感の問題だ。人間関係でも同じだろう。能力があっても、コアの人間性を信頼できない人についていくことは出来ない。
株主に理解できない施策を打って出た過去があるということは、その企業の行動倫理は株主利益とは別の次元にあるということだ。多くは「何を犠牲にしても企業の存続を重視」だったり、「経営者の既得利権の維持」だったりする。そしてそれらは株主利益と相反する。せっかくの素晴らしい事業が、そういう詐欺的な行為で台無しになる。不誠実な態度は無能よりも有害になり得る。この点が世間であまりにも軽視されているように思う。


だから繰り返そう。PCデポのような増資をするような企業は馬鹿だ。あるいは成長機会がなく、事業基盤も盤石なのに、自己資本比率が8割を超えているプロシップのような企業も馬鹿だ。さっさとMBOでもして、資本市場から引っ込むと良い。
その愚かさが無知から生じているものであるのならば、ピープルのような素晴らしい姿勢の企業を見習うことで改心する余地もあるのだろう。だが、確信犯的に株主を軽視していると推測される企業がたくさん存在する。そいつらに投資家はプレッシャーを与えなければならない。だから、どうか成長モデルとかだけでなく、企業の財務施策にまで気を配ってみて欲しい。気に入らなければ糾弾する。企業に責務があるとするならば株主にも責務があり、適切なプレッシャーを与えるのはまさにその責務の一端だ。

2 件のコメント:

  1. ピープルの株価、今日年初来高値を更新していますね!プレノン様の洞察力に恐れ入りました。

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    1. この記事で私がピープルを礼賛したのは株主還元への姿勢に対する文脈でのことなので、仮にピープルが年初来安値を更新中であったとしても褒めたたえていました。なので、年初来高値更新は私の洞察力を証明するものではありません。
      それにしても、ピープルのように配当性向100%を公言できる会社というのは世の中を見渡してもなかなか存在しないですね。こういう会社の株主が長期で報われない姿というのはなかなか想像できない。やはり、株主施策の重要性を強調する運動は続けていきたいと思います。

      ところで洞察力と言えば、一切の株主還元をしてこなかったグーグルがついに自社株買いを実施するようです。こちらは下記の記事で予想していたので、どうせならこちらを褒めてもらえると嬉しいです。文体からお高くとまっているように思われても、褒められるのは大好きなので。
      http://prenom80.blogspot.jp/2015/04/google.html

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