粉末緑茶ブームに乗り遅れた米国株ブロガーの末路


 愚かさが強みに変換される稀有な磁場を持つ米国株ブログ界に身を置きながら、「粉末緑茶!」と声を張り上げさえすれば強みメーターが上昇するイージーモードを黙って見逃した私には三流ブロガーという称号が相応しい。それにしても「粉末緑茶」という文字が放つ絶妙な空気感は私を惹きつけた。争いを巻き起こしている元凶でありながら、その佇まいはあくまで牧歌的で、目を覆わんばかりの罵り言葉が溢れているブログ記事に一たびその言葉が姿を現せば、いきり立った読者をもほっこりさせてしまう。「ドルコスト平均法」や任天堂キャラクターを巡る争いが一貫して血生臭かったことを思い返せば、この特質がどれほど貴重なものかよく分かるはずだ。
 しかし私が抱いた粉末緑茶に対する好印象も単なる幻想にすぎない可能性を否定することは出来ない。戦場においてさえ感じることが出来た平穏さも、粉末緑茶が物理的にも概念的にも米国株と何の関係もない人畜無害な食品だからこそなのかもしれない。何しろ、不用意に粉末緑茶と口にしてしまったところで「その考え方は間違っています」と批判されるリスクはないのだから。こうした意味においても、粉末緑茶ブームへの参戦はノーリスクでPVを稼げるアービトラージの機会をブロガーに提供してくれていたのだと実感せざるを得ない。我関せずとボーイングの分析記事などを書いていた自分自身を恥じるほかない。

 さて、そんなブームに乗り遅れた米国株ブロガーにお似合いの末路が訪れた。昨日、保
有しているボーイング株が同社機の墜落事故をきっかけとして急落したのだ。これを好機と捉えた三流米国株ブロガーは、似た事業を持つロッキード・マーティンを売り払い、ボーイングを買い増しした。当社に対する強気姿勢は過去に何度も言及してきている通りである。この乗り換えが粉末緑茶ブーム乗り遅れ以上に悲惨な結果をもたらさないことを願うばかりだ。

冒頭画像
『マックス、モン・アムール』大島渚


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コメント

  1. そろそろツィッタランドへ戻ってきませんか?変な人も、いつのまにか居なくなったし。

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    1. 人に求められるというのは大変ありがたいことです。しかしながら、私のツイッター・アカウントと当ブログを両方ご覧になっていたのであればお分かりの通り、人的リソースが有限である以上、両者の更新頻度はトレードオフの関係にあります。私としてはブログの方が持ち味が出ると自己評価しており、ツイッター再開は現時点で考えておりません。ブログ更新が重くなってきたら、気軽なツイッターへ再び鞍替えすることを検討させていただきます。

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