北米小売事業の苦悩と希望 -ヘインズブランズ 2016年Q4 カンファレンス・コール抄訳-
買い集めている最中のヘインズブランズ(HBI)が失望的なQ4決算を発表し、時間外で約10%の株価下落となっている。これを私がどう見るかは次回の記事に譲るとして、ヘインズのカンファレンス・コールは、アマゾンを筆頭とするオンライン勢に蹂躙される小売業者の苦悩が良く表れていると思う。手元にトランスクリプトがあるので抄訳してみた。
ヘインズブランズCEO ジェラルド・エヴァンス Jr.
ヘインズブランズは昨年、前年対比で売上高+5%、EPS+11%と力強い結果を残せた。営業CFは6億ドル、10億ドルの買収を完了させ、5.5億ドルを配当と自社株買いで株主に還元した。
しかし順風満帆ばかりというわけでもなかったことは事実だ。特に第4四半期に入って。昨年はアメリカ国内で破産を含めて1200の閉店があり、在庫調整もあった。オンラインへのシフトによってリテール事業は混乱の最中にあり、現在はそれに対応しているところだ。
Q4の前年対比は売上高+12%、EPS+20%だった。力強い結果だが、明らかに我々の期待を下回っており、全く満足していない。この未達は国内のリテールビジネスの減速を、28%の成長を見せたオンライン売上でカバーしきれなかったことにある。
休日店舗の客足は様々な指標で我々の期待を下回った。またメガ顧客(ウォルマート?)が書き入れ時の11,12月に在庫補充を絞ったことが当社の業績に打撃を与えた。このような困難な状況下でも通年業績で過去最高の記録を達成できたのは、買収とオンライン戦略、これらのシナジー効果、巧みな運転資本管理があったからである。
この結果は市場環境がどうであれ、当社の多面的な取り組みが長期にわたって株主利益を創出することができる証明でもある。リテール事業にとって更なる閉店や在庫調整といった上述の厳しい環境はしばらく継続すると我々は見ている。
とはいえ、足元の困難な状況の中にあって我々は比較的良いポジションにいると確信している。2017年度の当社全体の30%を占めるまでになった国外売上は引き続き成長が見込まれる。そしてオンライン販売を積極化し、(買収によってブランド別に細分化された)マーケットシェアを集約していく。
我々の取り組みは困難な状況下にあっても2017年度に売上+7%、EPS+8%、営業CF7億ドルを当社にもたらすことに自信を持っている。
この自信は次に挙げる4つの項目による。1つ目は、昨年の買収のシナジー効果で、当初想定した1500万ドルを既に達成したこと。
2つ目は、我々が消費者の動向を把握し、喰らいついていることだ。過去数年間、当社はリソースをオンライン・チャネルに振り向けてきた。オンライン販売額とシェアは四半期毎に伸び続け、そのペースはアパレル業界の平均を凌駕した。オンライン売上は直近四半期で国内売上全体の11%を占めるに至り、二桁成長を続けた結果、今では5番目に大きな"顧客"となった。成長に合わせ、リソースも多く配分している。今当社は成長曲線の初期に位置している。オンライン・チャネルの幅を広げ、メディア広告の半分以上をデジタル向けに配分する。
3つ目はコアであるインナーウェアのテコ入れだ。昨年はFreshIQのイノベーションによってマーケットシェアを拡大した。アクティブウェアでもチャンピオンブランドが欧州、アジア、北米で10%成長している。
4つ目は、実店舗チャネルの計画値を保守的に見積もったことだ。オンラインシフトは客足だけでなく、消費者の購買パターンにも影響を与えている。具体的には、特定の販促キャンペーンのタイミングに店舗訪問数が集中するようになっている。したがって、我々はイベントの的を絞り、平常在庫を絞っていく予定である。
ヘインズブランズCEO ジェラルド・エヴァンス Jr.
ヘインズブランズは昨年、前年対比で売上高+5%、EPS+11%と力強い結果を残せた。営業CFは6億ドル、10億ドルの買収を完了させ、5.5億ドルを配当と自社株買いで株主に還元した。
しかし順風満帆ばかりというわけでもなかったことは事実だ。特に第4四半期に入って。昨年はアメリカ国内で破産を含めて1200の閉店があり、在庫調整もあった。オンラインへのシフトによってリテール事業は混乱の最中にあり、現在はそれに対応しているところだ。
Q4の前年対比は売上高+12%、EPS+20%だった。力強い結果だが、明らかに我々の期待を下回っており、全く満足していない。この未達は国内のリテールビジネスの減速を、28%の成長を見せたオンライン売上でカバーしきれなかったことにある。
休日店舗の客足は様々な指標で我々の期待を下回った。またメガ顧客(ウォルマート?)が書き入れ時の11,12月に在庫補充を絞ったことが当社の業績に打撃を与えた。このような困難な状況下でも通年業績で過去最高の記録を達成できたのは、買収とオンライン戦略、これらのシナジー効果、巧みな運転資本管理があったからである。
この結果は市場環境がどうであれ、当社の多面的な取り組みが長期にわたって株主利益を創出することができる証明でもある。リテール事業にとって更なる閉店や在庫調整といった上述の厳しい環境はしばらく継続すると我々は見ている。
とはいえ、足元の困難な状況の中にあって我々は比較的良いポジションにいると確信している。2017年度の当社全体の30%を占めるまでになった国外売上は引き続き成長が見込まれる。そしてオンライン販売を積極化し、(買収によってブランド別に細分化された)マーケットシェアを集約していく。
我々の取り組みは困難な状況下にあっても2017年度に売上+7%、EPS+8%、営業CF7億ドルを当社にもたらすことに自信を持っている。
この自信は次に挙げる4つの項目による。1つ目は、昨年の買収のシナジー効果で、当初想定した1500万ドルを既に達成したこと。
2つ目は、我々が消費者の動向を把握し、喰らいついていることだ。過去数年間、当社はリソースをオンライン・チャネルに振り向けてきた。オンライン販売額とシェアは四半期毎に伸び続け、そのペースはアパレル業界の平均を凌駕した。オンライン売上は直近四半期で国内売上全体の11%を占めるに至り、二桁成長を続けた結果、今では5番目に大きな"顧客"となった。成長に合わせ、リソースも多く配分している。今当社は成長曲線の初期に位置している。オンライン・チャネルの幅を広げ、メディア広告の半分以上をデジタル向けに配分する。
3つ目はコアであるインナーウェアのテコ入れだ。昨年はFreshIQのイノベーションによってマーケットシェアを拡大した。アクティブウェアでもチャンピオンブランドが欧州、アジア、北米で10%成長している。
4つ目は、実店舗チャネルの計画値を保守的に見積もったことだ。オンラインシフトは客足だけでなく、消費者の購買パターンにも影響を与えている。具体的には、特定の販促キャンペーンのタイミングに店舗訪問数が集中するようになっている。したがって、我々はイベントの的を絞り、平常在庫を絞っていく予定である。
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