2016年6月15日水曜日

上海ディズニーリゾートはディズニー株の低迷を救うか?

 主力収益源であるスポーツ専門チャンネルESPNの顧客減少懸念によって足元の株価が軟調となっているウォルト・ディズニー株。そんな中、ついに6月16日に上海ディズニーリゾートが開園を迎える。ディズニー株主としても心躍るようなニュースで、ついつい業績に弾みがつくことを期待せずにはいられない。そこで今回は上海ディズニーランドがウォルト・ディズニーの業績へ与える影響を試算してみることにする。



① 面積
 テーマパーク部分の面積は116ヘクタール。
 東京ディズニーリゾートは、ディズニーランド 51ヘクタール。ディズニーシー49ヘクタール、合計100ヘクタールなので、1.16倍の広さということになる。


② 営業利益
 オリエンタルランドの営業利益は概ね1,000億円/年。東京ディズニーリゾートは、アメリカ国外のパークでは最も成功したものとされている(香港ディズニーもパリ・ディズニーも、面積や接客態度、文化の違いから、開園後、想定を下回る収益性に苦しめられた)。そのため、いくら話題性抜群の上海ディズニーと言えども、オリエンタルランドと同程度の営業利益を叩き出せれば御の字と言える。中国人の購買意欲や浦東国際空港からのアクセスなどを考えると、その潜在力はあると考えられる。そこで、面積当たりの収益額は東京ディズニーリゾートと同程度になると仮定しよう。面積は1.16倍なので、営業利益も1,000億円×1.16倍=1,160億円。


③ 中国国内の税金
 中国の法人税率は20%。上海ディズニーリゾートの想定営業利益1,160億円×(1-0.2)=928億円。


④ 出資比率を考慮
 悲しいことだが、ウォルト・ディズニー・カンパニーは上海ディズニーランドのマイノリティ株主だ。資本構成は上海市政府57%、ディズニー本社43%となっている。③で算出した税引き後利益に43%を乗じて親会社に帰属する当期純利益を計算する。
税引き後利益928億円×43%≒400億円


⑤ ライセンス契約料
 忘れちゃいけないのがこれ。上海ディズニーの「売上高」に機械的にロイヤルティ率を乗せて本社が徴収する。オリエンタルランドは売上に対して約7%支払っている。試算に使用した営業利益はライセンス契約料支払い後のものなので、ディズニー本社への帰属利益には上海ディズニー単体の利益だけでなく、こいつも加算してやらなければならない。オリエンタルランドの売上高は4,600億円程度。
 ライセンス契約料 : 4,600億円×7%=322億円
 これにアメリカ国内の法人税率を考慮すると、322億円×(1-0.4)=193億円



 以上より、ウォルト・ディズニー株主へ帰属する純利益は④の400億円と⑤の193億円を合算した593億円と試算された。現在レート(107円/USD)で換算すると、5.5億ドル
 総工費55億ドルのディズニー本社負担分は23.6億ドルなので、税引き後の投資利益率は23%ということになる。結構高い。そりゃ、大成功した東京ディズニーリゾートがベンチマークだからというのもあるが。

 さて、ウォルト・ディズニー株主に帰属する2015年度利益は84億ドルだった。そのため、上海ディズニーがEPSに与える影響は、
 5.5億ドル÷84億ドル≒6.5%
ということになる。
 大きいような小さいような何とも言えない数値ではあるが、上海ディズニーのパーク部分面積116ヘクタールに対し、総面積は400ヘクタール以上あるので、まだまだ拡張の余地があることを楽しみに成功を祈ることができそうだ。

 いずれにせよ、一つのパークがディズニーの救世主となるには既にディズニーは大きすぎ、当面の間はやはりESPNの動向が株主の一番の関心事であることには変わりなさそうだ。

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