2016年5月26日木曜日

[ 銘柄分析 ] ドミノピザ (DPZ)

 みんな大好きピザ屋さん。ここの財務諸表は結構面白いのよ。ちょっとデータ量が多いけど、次の表を穴のあくほど見て欲しい。


 面白い。私はね。
 凄まじい株主還元で債務超過(24行目)。しかもその額は年間利益の10倍に達する。超ハイレバレッジ経営。2012年の特別配当、2015年の自己株大量取得。多くの年度で総還元性向が100%を超えている(16行目)
 なぜこんなことが可能なのか。B/Sを見ると、ほとんど事業運営のための有形固定資産を必要としていないことがわかる(18行目)。これは店舗のほとんどが自社所有ではなくフランチャイズ契約店だからだ。
 設備投資はわずかで済むので、潤沢なフリーキャッシュフローが発生する(10-12行目)

 ドミノピザがさらに美しいのは、これだけの高還元を継続しながら、既存店売上高(5-6行目)も店舗数(7-9行目)も脂が乗った新興企業ばりの成長を見せているところだ。
 デリバリーピザ業界にはヤム・ブランズ傘下ピザハットなどの競合が大勢いるが、ドミノピザはインターネット注文システムの改良や製品開発力によってシェアを奪う立場にある。日本ではピザーラ、ピザハットに次ぐ3位に甘んじているようだが、一顧客としては上位2社と比べて、味でも注文システムでもドミノが頭一つ抜けていると感じている。


 ただ競合もチェックする必要がある。
 北米でのライバルであるパパ・ジョンズ・インターナショナル(PZZA)を見てみよう。
 なんかもう、ロゴがものすごくアメリカンでお腹一杯… ああ、業績数値でしたね。

Papa John's International 業績数値抜粋
 (2011年度の既存店売上高成長率は、会社IRページのFinancial Resultへのリンクがなぜか切れていて確認できず)

 いや、何かロゴを馬鹿にしてすみませんでした。
 過去5年の推移としてはドミノよりこちらの方が数段面白い。
 何といっても目を引くのが資本構成の変化だ。2011年当時は自己資本比率56%の超堅牢な財務体質だったものが、アグレッシブな自社株買いで直近年度で10%を切る水準に落ちている。財務レバレッジの高まりによってROEは急上昇。この戦略はおそらくドミノを参考にしているのだろうから、債務超過への突入も近いものと思われる。
 パパ・ジョンズがこれだけの頑張りを見せたのに、2011年から現在までの株式パフォーマンスではドミノの後塵を拝している。
 恐るべし、ドミノ・ピザの成長力。
 直近の予想PERはドミノが25倍、パパ・ジョンズが23倍。
 私はドミノを買ったが、利益率、成長率、株主還元施策、バリュエーションのどれをとっても甲乙つけがたい。ポートフォリオに1枚組み込むとしたら、ピザと同じくお好みで。

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