[ 銘柄調査 ] シグナ (CI)

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 アメリカ医療制度のお勉強から出発して興味を惹かれることとなった民間医療保険大手のシグナ。本日はその銘柄調査だ。まずね、社名が好きだな。


 P/LとB/Sを抜粋してみたところで、あまりにも眠たくなりそうな変化しかなかったため、キャッシュフロー計算書を見る必要はなさそうだと判断した。以下、特記事項を列挙していこう。

3行目 EPS
  一貫した増加傾向。自己株取得による発行済み株式数減(17行目)によるところも大きい。

4行目 加入者数
 誰だ、眠たくなる財務諸表だなんて言ったのは。毎年きちんと収益ベースが拡大している成長企業だっつーの。

5行目 運用資産
 保険会社だからもちろん預かった保険料を運用している。売り上げや加入者数の伸びほど増加していないのはなぜだろう。答えは有利子負債の削減などに充てているから。
 ところで運用資産は総資産の半分近くに及ぶ。そしてさらにその半分は株式で運用されている。国債や地方債などの政府債券はわずか1割程度に過ぎない。かなりアグレッシブな運用に見える。アフラックなんて大半が日本国債運用でガッチガチなのに。

18行目 D/Eレシオ
 改善傾向にある。総資産、純資産ともに増加しているのに対し、有利子負債は減少している。このような財務レバレッジの低下にもかかわらず、ROAの向上によって同業の中で相対的に高いROE水準を維持している。


 非常に堅牢な財務・収益基盤を持ちながらゆっくり成長もしている優良企業だ。あえて懸念点を挙げてみると、今後の伸び代は政府向けの公的保険分野(高齢者向けメディケア及び低所得者向けメディケイド)にあるのだが、任意加入保険分野よりもやや利益率が低いということがある。また、運用資産に占める株式比率の高さは、株式市場のボラティリティの影響を受けることを意味する。


<総評> 
 心躍らせながらアニュアルレポートに臨んだのだが、わりと退屈な財務内容であった。ただ、眠たくなるような業績であるほうが決算内容に一喜一憂せずに済むメリットもある。
 新規購入の決定打には至らず。しかし、引き続き検討。

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