2016年1月20日水曜日

不動産投資でROICとWACCを考える

【前提】
 株主資本コスト 7.0%
 銀行借入コスト 2.0%

 税金は考慮に入れない。





~コメント~

 中古マンションAへの投資は<パターン1>にみられる通り、投下資本を全て株主資本でまかなうと、利益でその資本コストをカバーできない案件であることがわかる。
(もしこれが株式会社であれば、時価総額は理論的には 株主利益50万円÷0.07≒714万円 となり、株主資本1,000万円を下回る。PBR0.71倍)

 <パターン2>でROICは<パターン1>と同じ5.0%だが、割安な銀行借入で大半の投下資本をまかなっているため、WACCは低くなっている。そのため、ROIC(利益)がWACC(コスト)を上回り、企業価値が増している。
(結果、時価総額に換算すると、理論的には 株主利益34万円÷0.07≒486万円 となり、株主資本200万円を上回る。PBR2.43倍)

 両者を買収しようとした場合のコスト(すなわち企業価値、EV)は、
 <パターン1> 時価総額 714万円 + 銀行借入    0万円 =   714万円
 <パターン2> 時価総額 486万円 + 銀行借入 800万円 = 1,286万円


 同額の投下資本を同一の案件に投資しても、資本構成の差によって企業価値は変わってくる。
 ただし、利益も損失も全て株主資本に降りかかってくることを考えると、薄すぎる株主資本は破綻リスクを抱え込むことにもなる、という当たり前のことも忘れてはならない。

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