2018年10-12月決算を受けての売買



 少しずつ買い増そうと思っていたJCU(4975)が年度利益の下方修正と自社株買い発表と同時に20%も急騰し、バリュエーション相対評価の観点から全株売却した。
 結局、1単元しか保有できなかったため、全体のパフォーマンスにはほとんど影響がない。切ないが仕方ない。
 これで再び日本株の保有がゼロへ。

 決算内容とその後の株価推移を見て買い増しを検討しているのはシグナ(CI)だ。
 2018年Q4の実績はいつも通りコンセンサスを上回ったものの、2019年度のガイダンスが$16.0-$16.5と発表され、これが期待外れという評価を下されたらしい。2018年通期のEPSが$14.22なので、ガイダンス下限の$16.0でも12%成長で十分に見えるが、買収が完了したPBM専業エクスプレス・スクリプツ(ESRX)の利益が通年で加算され、その影響が$2あると事前にアナウンスされていたので、コンセンサスは高めになっていた。たしかにESRX買収効果が$2あるなら、2019年度のEPSは最低でも2018年実績$14.22 + $2.00 = $16.22 以上なければ実質的に利益横ばいということになる。
 これについてはカンファレンスコール内で説明があった。EPS換算で$2相当の押し上げ効果は、統合関連のコストやシグナの契約を他社からESRXへ移管する際のアイドルコストで統合初年度はかなりの部分相殺されるとのことだ。これらの一時的な
費用発生はごく普通のことであり、バイアスを排除してもこれは言い訳とは聞こえない。

 したがって、私は改めて提示された2021年度のEPSターゲット$20-$21(年率成長率15%)という数字は、ESRX買収効果がフルに発揮されることを考慮すれば容易に達成可能な水準であると楽観している。
 当社のビジネスの堅牢性を考慮すればPERは実績ベースで15倍が妥当と思われ、2021年のEPSターゲット$21を当てはめると、株価$315が導き出される。現在の株価は$185だから、2年以内に70%の株価上昇が期待できる。

 買い煽りアナリストのようなトーンになってしまったが、もちろんこのような大型株を買い煽りをするインセンティブなど何もないので、単に私の脳内で繰り広げられた皮算用をフィルターなしで開陳しただけのことである。
 どうやらダニエル・ローブもシグナを買ったらしい。氏が率いるサードポイントは頻繁にポジションが動くのであまりあてにはしていないが、当社が割安に見えるという仲間が他にもいるようで悪い気はしない。私の唯一の悩みは、アンセムと併せて既に医療保険株を株式資産の20%程度保有しているので、極端に大きく買い増すともともと偏りのあるセクターバランスがかなり歪になるというところだけだ。



冒頭画像
『何がジェーンに起ったか?』ロバート・アルドリッチ



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コメント

  1. 売るのはやーい。
    案外堪えないですね。

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    1. 景気敏感型の事業ということもあり、購入時点からPER11倍前後がターゲットだったのです。それが下方修正によるEPS減&株価暴騰のコンボによって、一気に売却基準に引っかかってしまいました。これだけの実績を叩き出してきた会社でも、やはりスマホ出荷鈍化の影響は受けるのだという当たり前の事実も再認識したところなので、当エントリーで熱く言及しているシグナの方に心惹かれた次第です。シグナもJCUと同じPER11倍ですからね。

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    2. 日本株ならソフトバンクGなんかがいいんじゃないでしょうか。
      投資会社ですが…。

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    3. 保有資産に比べた時価総額や、孫氏の野望の壮大さに惹かれて今までも購入を考えたことがありますが、最終的に氏の目利きに依存する部分が大きく、そのことが腹落ちしませんでした。
      企業のあり方としてはもちろんとても好きです。こういうダイナミックな金の使い方は日本を元気にしてくれますね。

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