マイ・ポートフォリオ(2016年9月末)




 一か月しか経ってないので金額・銘柄構成ともに大きな動きはない。円高が進んで評価額が少し減少した。
 日本株にティーガイアというお気に入り銘柄が加わったこと、薬剤給付管理のExpress Scripts Holgingを試し買いしてみたことがトピックスだ。ティーガイアと同業のコネクシオの比較財務分析を次回の記事で取り上げようと考えている。

 さて先日、Twitterに持株品評会と称して各銘柄の一言コメントをしてみたので、ブログにも記録しておきたい。140字でまとめているのでやや四季報風味。


【持株品評会】

1. IBM
17四半期連続減収中。5年前のロードマップでは昨年度EPS$20のはずだったが、16年度ガイダンスは$13.5と利益面も大苦戦。お得意の自社株買いも今期は営業CFの半分以上を企業買収に充てているため減速中。予想PER11倍。期待値の低さと還元姿勢が売り。

2. Philip Morris Intl.
中毒性ある商品の価格決定力が強み。喫煙者数減少をものともせず為替中立ベースで増収増益だがドル高がキツい。タバコ株は安定しているという認識の浸透と高配当で株価は高止まり状態。iQOSヒットも現在は日本の局地現象。やや割高か。

3. Foot Locker
スポーツシューズ小売チェーン。スクラップ&ビルドを中心とした戦略で店舗数を減らしつつ増収増益を保つ特異な成長企業。靴という商材の性質上、アマゾンによる実店舗企業蹂躙にも抵抗力を見せている。株主還元にも積極的。予想PER14倍。

4. Cigna
北米民間医療保険会社。同業のAnthemによる買収に合意済みだが、アンチトラスト上の懸念から投資家は買収が当局によって承認されないと見ている。配当はほぼゼロで現在はFCFを主に借入金返済に充てている。足元で一時的なコスト増に見舞われているが決算にサプライズはほぼない。予想PERは14倍弱。

5. MastarCard
スクエアなどの新興企業もクレジット決済サービスビジネスにかすり傷一つ負わせることが出来ていない。世界のカード決済額はこれからもどんどん増えて、Visaと当社が大半の果実を享受するシナリオに死角は見えない。2桁成長継続中。予想PER24倍。

6. Allergan
眼科と形成外科領域に強い特殊医薬会社。自社開発だけに頼らず、積極的に外からも技術を調達する方針。そーせい子会社ヘプタレスへの資金拠出もその一環。主力のBotoxでも全社に占める売上比率は1割程度。自身を成長企業とみなしており、株主還元は行わない。

7. ワールドホールディングス
人材派遣と不動産販売の会社。借入でレバレッジかけてガンガン攻めるので、良識ある投資家から敬遠されている。当社の不動産在庫は記録的水準に達しているのでこれを利益源泉と見るか巨大なリスクと見るかで評価が分かれる。予想PERはもちろん1桁台。私はまだ強気。

8. Wells Fargo
懲戒解雇者5千人超を出した不正営業行為発覚で時価総額はついにJPMorganに抜かれて米国2位に転落。どの商業銀行も同じだが低金利で非金利収入の割合が半分程度に達するので顧客離れが起こると痛い。利上げもいつ行われるのか。銀行株の春はまだ遠い。

9. Walt Disney
収益の半分近く稼ぐCATV部門の柱ESPNが契約者数漸減傾向。将来見通しに対する懸念で株価軟調。一方、映画とパーク部門はルーカスフィルム買収や上海リゾート開業で見通し明るい。典型的なコングロマリットで、株価の妥当水準を見出すのが難しい。

10. Boeing
中大型機シェアをエアバスと二分。16年度は受注とデリバリーのペースが踊り場状態。過去の開発費を減損したり、新型機への追加投資によりEPSも痛む。しかしP/Lが痛もうとも旅客機の長期見通しとFCF創出力は明るい。自社株買いによる過少自己資本で高ROE。

11. エスティック
自動車用ネジ締め工具を製造。新工場立ち上げで16年1Qは前年比・計画進捗率共に驚異的な数値。このペースが続くのか要注目。製造業ではあるが装置産業型ではなく売上高利益率も高いため、営業CFに占める投資CFは小さい。上方修正なくとも予想PER10倍未満。

12. ティーガイア
携帯電話販売店。実態はほとんど住商の子会社。親会社収益に貢献するためか株主還元にも積極的で資本効率も高い。特筆すべき成長機会などは見当たらないものの、財務諸表からは高い経営能力が読み取れる。予想PERは9倍。

13. Visa
バリュエーション、財務施策、成長展望ともMastarCardと大差なし。なぜこちらも保有しているかというと、私の楽天カードがVisaで、株主だと毎回気持ちよく使えそうな気がしたから。

14. Express Scripts Holding
保険会社、薬局、患者の間に立って薬剤給付管理(PBM)を行う。寡占業界のPBMで規模1位。中間業者だが推奨処方リストでジェネリック移行を促したり、製薬会社に値下げを要求したりと医療コスト削減の使命を負う。予想PER10倍。


 しばらく大規模な銘柄入れ替えは予定していないので、毎月の給与の投下先をちびちび調べているところだ。順当にいけばExpress Scriptsの買い増しになるのだろうが、あのスターバックスにも少し興味を惹かれている。
 もちろん、円高は継続してもらって構わない。

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