2016年4月25日月曜日

個人型確定拠出年金(DC)制度の拡充を座して待つ

2017年4月から、個人型DCへの加入要件が大幅に緩和される。
具体的には、今まで加入資格のなかった確定給付型企業年金に加入済みの会社員(私が該当)は14.4万円/年、主婦(妻が該当)は27.6万円/年の拠出枠が付与される。
合計40万円/年の拠出が何をもたらすのか、メリットとデメリットをまとめてみる。


【メリット】
拠出額に対して所得控除が適用される
 株を買ったら、その購入金額が節税原資になる。
 所得税率は累進課税のため年間所得によって変わるが、会社員の多くは20%前後と見ておけば概ね間違いない。
 仮にゼロ金利状態の定期預金に全額拠出しても、無リスクで20%の利回りが得られる。
 以下にも出てくるように個人型DCには他にもメリット・デメリットがあるが、所得控除が出来るという点がこの制度を検討の余地なく加入すべき魅力あるものに引き上げている。
(多くの会社の従業員持株会も、購入時に会社が10%程度の補助を出してくれることがある。これも市場参加者に対して確実に10%のアドバンテージがあることになる。よく言われるように、持株会は給与と株式のリスクが自分の勤め先という同一の主体となってしまう点でリスク分散の観点から問題をはらんでいるが、持株会への拠出額なんてたかだか知れているのだろうから、会社補助を素直に享受するというのは賢明な選択だと思う。私はやんないけどさ)

拠出期間中はインカムゲイン、キャピタルゲインが非課税
 NISAと同じ設計だが、非課税期間はずっと長い。60歳まで拠出し続けるわけだから、複利効果への影響は馬鹿にならない。


【デメリット】
長期間の資金拘束
 積み立て拠出額は60歳まで引き出せない。これは拠出金の使途が「60歳以降の老後資金」に限定されていることを意味している。
 お金の特徴である「使途を問わない」メリットが相当程度減殺されるわけだ。
 ただ、計画性がなくて貯蓄が出来ないタイプの人には、この非流動性がメリットになり得る。

運営管理会社を途中で変更できない
 積立資金は運営会社の帳簿と切り離されているので、その会社の倒産リスクなどを心配する必要はないのだが、選択できる商品のラインナップは運営会社によって大きく異なる。一度捕まえた顧客に対するサービス向上に不熱心な運営会社を選んでしまったら、いつまでたっても貧弱で手数料の高い金融商品の中から老後資金の振り向け先を選ばなければならない。


<雑感>

 医療費控除や外国税額控除はもとより、ふるさと納税やこの個人型DC制度など、個人所得に関する税制は「情報を集めて自ら動く」人にのみ有利に働くように変わってきつつある。税制だけではない。高いキャリア携帯料金を避けてMVNOに切り替えるのだってある程度の情報感度が必要だったりするし、投資信託や保険も今やネット販売の台頭で大分マシな商品が出ていてもボーっとしていれば窓口販売で粗悪商品を売りつけられるリスクに晒される。そもそも医療保険、がん保険など存在価値がなく損しかしない保険が世に溢れていることを知らない人の何と多いことか。
 投資と違って節税や節約は確実なプラスリターンをもたらしてくれるので、投資家ならせこいなんて言わずにちゃんとアンテナを張っておくのは人生のたしなみだ。

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