1周年記念 みのむしからの手紙

「拝啓

 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 さて、先日の貴殿との対談からもう何ヵ月経つでしょうか。わたくしといえば、あれから色々ありました。と申しますのも、行きつけのバーのママと出来てしまいまして、妻が愛想を尽かして家を出て行ったのです。大変落ち込みましたよ。これでも妻を愛しておりましたので。
 ママは年下ですが、意気消沈したわたくしをあの手この手で慰めてくれまして、今やすっかり二人で快楽に溺れる日々です。一度きりの人生、こういう退廃的な経験も悪くないものかもしれませんね。

 ところで、そんな日々を過ごしつつもわたくしは貴殿のブログを欠かさず拝読しておりました。株式投資をやっていない私にはほとんどの記事が何の興味もない内容でしたので、半ば義務感から目を通しておったのですが、投資とは関係のないいくつかの創作物はわたくしにも意味くらいは分かるものでしたので、少しばかり真面目に読んでみたのです。
 率直に申し上げますと、貴殿には大変失望したことを告白しなければなりません。
 わたくしの記憶が確かならば、貴殿は対談の際「人を不快にするものが書きまくりたくて仕方がない」と仰りました。ですが、あの程度で人を不快にできると考えておられるなら、とんだ噴飯ものです。何の脈絡もなく人が死んだり、ひどい目にあったりするだけで不快なフィクションが出来上がると考えるなら、世に存在する数多くの芸術家への冒涜であると断じざるを得ません。
 なんなら、わたくしが不快な話をして差し上げましょう。妻に見限られたわたくしは失意に沈み、歌舞伎町をふらついておりました。よほど自暴自棄に見えたのでしょう。全身毛むくじゃらのファットマンがわたくしに話しかけてきて、わたくしを買うと言うのです。既に意識は朦朧としておりましたので今となっては経緯をはっきりと思い出すことは出来ませんが、上にのしかかったファットマンの汗がわたくしの胸に滴り落ちてくる感触だけが鮮明に思い出されます。歌舞伎町をあとにしたとき、わたくしの手には3万円がねじ込まれていました。
 単なる実体験にすぎませんが、貴殿の文章よりよほど真に迫って不快だとは思いませんか。わかったら、金輪際、調子に乗って不出来な創作物をインターネットにアップしないでいただきたい。わたくしが言いたいのはそういうことです。

 貴ブログは一周年を迎えたそうですね。謹んでお祝い申し上げます。貴殿の次の一年も幸多くあること、陰ながら願っております。   敬具

みのむし」



「プレノンからの返信

 貴重なご意見とお祝いのお言葉、有難うございました。あらゆる批判を真摯な態度で受け止めることをモットーとしてブログ運営をしておりますので、非常に参考になります!!
 奥様に逃げられたとか、3万円で買われたとか、とっても得難い経験をされているようで羨ましいなぁ~。私なんて土日は出かけるのが面倒で家でぐーたらしてばかりなので、妻に白い目で見られていますよ。毎日変わり映えのない生活です。気ままな独り身でセフレまでいるなんて、ほんとあやかりたいです(笑)
 お近くに寄られた際はどうぞまたお立ち寄りください。その時までここがあれば、喜んで歓迎いたします」

コメント

  1. もう1年になるんですか。早いですね。

    2年目もよろしくお願いします。

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