リスクプレミアムを信じてる

昇進、課員純減、引き継ぎなどの混乱の中で経理として本決算を迎えており、ブログは何か手抜き記事がいいなと思っていたら、ちょうどいい具合に株価が1年ぶりの調整局面を迎えたようで、これを題材にしようと思いついた。株式投資ブロガーたるもの、今後の市場動向を予想してみるとか、「こんな下落で怯んではいけない」と強がってみるとか、やっぱりブルブル震えてみるとか、そういうエンターテイメント性に富んだ反応を読者に提供するのが責務というものだろう。そうだな、今あなたが何を考えているのか少し想像はつく。「格好つけのプレノンのことだから、"株価下落によって企業価値が損なわれるわけではないので、こんな調整など気にしないことだ"とか強がるに決まっている」と、こう考えているのだろう。近いけど、少し違うね。私は個別銘柄の分析記事なんかを投稿したりして、実際その銘柄に投資するような個別株投資家ではあるが、「(私が分析して購入した)企業の収益力・成長力を信じています」という近年増えてきた若い成長株投資家のような無邪気な心は一切持ち合わせていない。私が信じているのは企業ではなく、リスクプレミアムだ。見えないくらい小さい粒子となって市場に浮遊する人々の潜在的な恐怖心やリスク回避性向は、あらゆる企業の株価を債券などの無リスク資産と比較して低く抑える働きをする。低い株価は投資リターンの最大の源泉だ。株式投資によるリターンは成長ではなく、株価を過少評価しようとする慢性的な圧力によってもたらされるということを私は十分に理解している。適切な資本政策を持ってさえいる企業に適度に分散しておけば、成長力があろうとなかろうと私は確実に億万長者になるだろう。株式投資家の本質とはストックピッカーではなく、市場に蔓延する恐怖を拾い集め、それに対応する報酬を頂戴することにあるというのが私の考えだ。だから私は個別株投資家でありながら、信条的には極めてインデックス投資家に近い。そんな私は何故インデックスに投資しないのか。それは私が個別株投資を通じて個別企業の癖や財務分析、業界構造などを絶え間なく勉強し続けていきたいからだ。結果的にその勉強の成果は将来的に給与増という形で私に報いてくれるだろう。

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