マイ・ポートフォリオ(2017年3月末)
大株主のビル・アックマンが白旗を上げて全株売却したバリアントが底なし沼状態に下がり、事業を取り巻く政治的駆け引きに不透明感が増しているPBMのエクスプレス・スクリプツもじり安を続けた一か月だった。
バリアントの不正を暴き、CYBERDYNE株をUNKO呼ばわりしたことで日本でも有名なシトロン・リサーチに薬価上昇の主犯と名指しされて以来、世論や政治の標的にされているエクスプレス社は「(製薬会社からの)リベートは薬価上昇の原因ではない」と決算の場などで必死にアピールしているが、投資家たちはその必死さを極めて冷徹に見ているようだ。現時点では完全無欠のキャッシュフロー・マシーンである当社の予想PERはわずか9倍強にまで低下した。政治的憎悪は時価総額40ビリオン(4兆6,000億円)の大きな構成要素である当社のリベート・スキームを破壊するのか。製薬会社とPBM間のリベートはシトロンの主張とは異なり実際に薬価引き下げに貢献していると思うものの、同時に批判の通り透明さに欠けそれゆえ利益相反の疑いをもたれやすい取引でもある。したがって、現状を覆っている当社ビジネスモデルへの不透明感が完全に払しょくされることはまずなく、株価の水準訂正を期待すべきではない。株主へのリターンは堅実な業績を叩き出していくしかないのだ。この困難な現状を仮に無傷で乗り越えられるのだとしたら、利益のすべてを自社株買いに回す当社にとってまたとない株価低迷となる可能性がある。
バリアントは…今後も興味深く監視し続けたいため、塩漬けコース確定だ。
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