寄り添う気持ちを忘れた悲しきミッキーマウス

「残虐非道のミッキーマウス」ってタイトルにしようと思ったんですけど、なんかそれだと凡庸な感じがしましてね。一般に流布するミッキーマウスの清廉なイメージに反した形容をつけるだけでオリジナリティが出るんじゃないかとか、そういう発想がすでに貧しい。タイトルで落ちが見えてるというか。「本当は怖いグリム童話」とかさ、そういうのはおなか一杯。まあグリム童話の方は奇をてらってるわけじゃなく、本当に怖いから"怖い"と言ってるだけなのかな。読んだことないからわかりません。とにかく少しでも凡庸さを避けようとして5秒くらい再考した結果、こういう物悲しい雰囲気が醸し出されるタイトルに変更してみました。
 共感能力がないミッキーマウス、悲しいですよね。いや、ないことが悲しいというより、かつてあったのに忘れてしまったことが悲しい。この感覚はきっとわかっていただけると信じています。もっとも普段の言動を観察していると、ミッキーマウスはどうも自分のことしか考えていない節があり、忘れるとかいう以前に寄り添う気持ちなどもともと持ち合わせていないんじゃないかという疑惑もあるわけです。自分さえ目立てばいいという態度が透けて見える。あの裏返った声、怪しいよ。どう考えても愉快な仲間たちを同列には見てないと思います。こう見えても人を見る目はあるつもりです。
 ただ、共感能力がないからなんだ、文句あるのかとミッキーマウスには逆ギレ気味に強く主張してもらいたい。何なら難癖をつける私を殴ってもいい。満員のディズニーファンを沸かせまくったステージの最後に、何の脈絡もなく逆ギレ。誰も文句言ってないのに…と唖然とする観客を置き去りにして、ますます怒りがヒートアップするミッキーマウス。デイジーが持ってるタンバリンを叩き落としたり、壁を蹴りまくって穴をあけたり。反抗期かよ。泣きじゃくる子供たち。慌てて警備員が取り押さえにかかるものの、学生時代に鍛えた柔道技で投げ飛ばしてしまう。投げ飛ばされた警備員の一人は肩を脱臼してしまい全治2週間。でも労災が下りて家族は一安心。そんなミッキーマウスを私は応援します。街宣車で世間に訴えるのもいいですね。「私には人に寄り添う気持ちがありません。ですが、それが悪いことでしょうか」と身振り手振りを交えて主張。ミッキーマウスの三文芝居も味わい深そうで是非見たい。応援してるぞ、なんて通行人に声をかけられるものの、反抗期なので良心的なファンをも睨みつけてしまう。SNSで一部始終をアップされ大炎上。「そんなネズミとは思いませんでした。幻滅です。」とかアホみたいなレスを大量に送り付けられた挙句、ハフポストの一面にも載ってしまう。
 ところで、ここまで投げ出さずに読んでくれている人はいるのだろうか。言い訳させてもらうと、別に私もミッキーマウスの話がしたいわけじゃないんです。生活していてミッキーマウスのことを考えることなんてほとんどないから。これだと私がミッキーマウスのことばかり考えているみたいじゃないか! ミッキーマウスにこだわっていると思われるのは非常に心外です。疑われるようなら、ミッキーマウスのことなど普段考えてもいないという複数の証拠を提示する用意がある。それくらい私はミッキーマウスのことなど考えていない。それだけは覚えておいていただきたい。でもグーフィーよりは認めてやってもいい。プルートと同じく犬がモチーフなのに、なんでプルートはただのペットで、グーフィーはセリフを与えられているんだよと苛立ちを覚えない人間はこの世にいないはずです。しかも喋り方からして明らかに馬鹿。それにしても犬同士で上下関係をつけるとは。教育上良くないのではないかという発想はないのでしょうか。本当に嘆かわしいと思います。そんなわけで、私は四六時中グーフィーのことを考えている。これだけキャラクターを憎んだのは、他にはマラカス野郎こと「いないいないばあっ!」のうーたんくらいですね。でもみんなかわいいので、これからも元気にやって欲しい。心からそう願っています。私が一番好きなのは、ドナルドダックです。

コメント

  1. DISも撤退するということですか?

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    1. 投資とは無関係の息抜き投稿です。DISの投資が悩ましいのは事実ですが。

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