IBM株へのストレンジラブを放棄し遁走 または私は如何にして心配するのを止めてグロース株を愛するようになったか

 今、私がどのような気持ちでこの投稿を書いているかお分かりか。
 読者にとって最も賢明な回答は、「お前の気持ちになど興味はない」だろう。知ってる。
 まあ、数年前の石油関連株からの全面撤退に匹敵する個人的な節目でもあるので、しばし我慢して独り言を聞いてもらいたい。

 期待値が低いということに安住し、今まで充実した配当を受け取るだけで満足していたIBMだが、直近の17-Q2決算を受けて、その衰退速度は私の想像を今後も継続的に上回り続けるであろうことを、ようやく認めざるを得ない心境に達した。IBMは長い年月をかけて盤石の顧客基盤を構築し、優良企業となってきた。そのトレンドが逆回転すると、真綿で首を絞められるように、長い年月をかけて衰退していくのだという現実を甘く考えていたことは、率直に言って否めない。革新性のないガラパゴス的なシステムインテグレーションが陳腐化していく速度は、強力なライバルの登場によってますます早まっていく。

 私がIBMとともに歩んだ数年間の道程は、ほろ苦い記憶として定期的に思い出されることになろう。IBMからの撤退は常に検討し続けてきたため、今回の「失敗の本質」も自分なりに理解しているつもりだ。
「株価は現実に追いつき、売却意思を阻害する」
 端的に表現すればこれに尽きる。一時的な思い出にしないためにも、この件については別に機会を設けて記事にするつもりである。

 さて、タイトルに遁走とは書いたが、もちろん私が株式投資から遁走するはずもなく、IBM売却代金58,000ドルはすぐさま別の銘柄に投下された。配分は次の通り。


BlackRock(BLK) 30,000ドル
私が初めてIBMを購入した時に期待していた「着実な収益基盤の拡充による地道な利益成長と高還元」を妥当な株価水準で担ってくれる銘柄はここである、と前から目をつけていた。新たなコア銘柄候補として、満を持してポートフォリオに登場する。

Visa(V) 18,000ドル
ここ最近、カード決済に関する記事を書いていて、決済ビジネスの将来性に対する確信はますます深まるばかりだった。30倍近いPERも、膨大な成長余力を考慮すれば破格に安いとしか思えず、思い切った追加投資に踏み切った。これでMastarCard(MA)とVisa(V)合わせたポジションは、IBM売却後のポートフォリオ1位であるフィリップモリスすら凌駕し、決済事業は事実上のトップ銘柄に躍り出た。

Amazon(AMZN) 10,000ドル
保有している小売銘柄へのヘッジ機能を強化する目的で増額。


 今、どのような気持ちか最後に書いておこう。ポートフォリオが美しくなって、とても晴れやかだ。

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